いい仲間 いい仕事 三栄会
SANEI NEWS

第5回「街歩きを楽しむ会」 〜木がもつ不思議な力を発見!〜 を開催しました


東京三栄会文化交流委員会主催の第5回『街歩きを楽しむ会』が平成30年4月14日(土)に開催され、日高会長を含む総勢30名が東京駅に集合、開催数日前までの“春の嵐”の天気予報を押しのけ、雨に降られることもなく、心地よい気候の中で街歩きを楽しみました。

前4回は「街そのもの」に精通したプロガイドとともに歩きましたが、今回は樹木医の石井誠治先生とともに「街の樹木」に着目し、東京駅丸の内中央口から行幸通り、丸の内仲通り、日比谷公園を経由し、昼食・懇親会場となるシーボニアメンズクラブ(日比谷)を目指す2時間コースです。


■東京駅集合: 高橋委員長(左)による石井先生(中央)紹介



早速、行幸通りに向けて歩き出すかと思いきや、まずは東京駅前のマツの木に注目。おめでたい木として松竹梅がありますが、なぜマツが最初に来るのか? それは竹も梅も中国からの輸入外来種だったため、日本古来のマツを先頭に持ってきたのだそうです。クロマツとアカマツの葉先の違い(掌で押して痛いのはクロマツ)や、「マツは古来神が宿る木として尊ばれ、マツの名も神が降りるのを“待つ”から来たと言われる。 正月の門松はその名残。」との幅広い樹木雑学を披露頂きました。


■マツにまつわる雑学ご披露中



次いで、駅前広場に列植されているケヤキを鑑賞。 ケヤキは3年に一度一斉開花するそうで、東京駅前のケヤキは今年がそれに当るそうです。 小さな緑の実を葉の付け根に確認。 秋には茶色に枯れた短い枝葉ごと落ちて、ヘリコプターのように回転して風に乗って遠くまで飛ぶそうです。 ケヤキの木材は有用材で、寺社の柱などによく用いられており、江戸城の門や日本橋の橋げたもケヤキ。 柱に使うケヤキは幹を枝打ちして長くするそうです。


■ケヤキの葉



行幸通りへ向かう途中、「行幸通りは東京駅から皇居に向かうための馬車道となっており、ガードレールは脱着可能な仕様となっている。」との樹木に限らない雑学も披露頂き、参加者一同「へぇ〜」と、石井先生の知識の多さに感服するばかりでした。

行幸通り中央歩道脇のイチョウは、枝の剪定をしないため三角錐の樹形となっています。幹から出た枝は規則的に間隔を空けて輪生するので、下から枝の間隔数を数えると樹齢が確認できるそうで、並木の1本の樹齢を数えると15年であることが分かり、感嘆の声が上がりました。
樹木の進化は針葉樹→広葉樹の順ですが、イチョウは針葉樹よりも古い太古の樹木で、葉の形にその形跡が残っているそうで、葉の形状が鴨の足に似ていることから、イチョウは中国では鴨足(ヤオチャオ)と呼ばれ、それが日本でイチョウに転じたそうです。


■行幸通り(馬車道)にて双方向から記念撮影





ペースを少し速めつつ、丸の内仲通りの街路樹を見て回りました。

植栽されているアメリカ楓(フウ、と発音)を観察。 実はアメリカ楓と日本のカエデとは種類が全く異なるそうです。 これは、楓という字は日本でカエデの仲間を現わすが、中国では楓をフウと呼びマンサク科。 日本にはフウが自生しておらず、漢字と絵の説明だけで伝わったため、葉の形状が似ているカエデに楓の字があてられたそうです。

丸ビルの角にあるシマトネリコは、樹皮が部分的に剥けて見えますが、虫を寄せ付けない毒素を含んだ薄い樹皮に守られていて、その下には葉緑素があって、葉だけでなく幹でも光合成をしていることが分かります。

三菱1号館の中庭ではベニハナトチノキを鑑賞。 先端にピンク色の花弁を持つ木ですが、赤い花を付けるアメリカトチノキとマロニエを掛け合わせて作られた品種。 トチノキを台木に接ぎ木されているので、幹の下の部分を見ると接ぎ木跡がはっきりと確認でき、ここでも驚きの声が上がりました。


■丸の内仲通りの街路樹



いよいよ最終目的地日比谷公園へ。

入口近くの花壇には一面に西洋パンジー(サンショクスミレ)が咲き誇っていますが、西洋パンジーはedible flower(食用)として花弁を大きくさせた改良種ということを初めて知りました。

この他にも、松石という、朽ちた木の幹にケイ酸を含有する地下水が入り込んで化石化した樹木や、関山(かんざん)と呼ばれる、赤味の強い花びらを塩漬けにして使う八重桜のお話を伺い、ミツカエデの雄花が枝から垂れ下がっている様子や、プラタナスに実がなっている様子を見ながら公園を後にしました。 公園内には数多の樹木、草花があり、短時間で見て回ることは不可能で、また次の機会にゆっくりとお話を聞いてみたいと思います。


■日比谷公園散策中





日比谷公園を後にして、公園そばにある昼食・懇親会場となるシーボニアメンズクラブ(日比谷)に到着しました。

シーボニアメンズクラブでは、ビュッフェスタイル+赤ワイン付のランチを頂き、程よく歩き疲れてお腹のすいた参加者の胃袋を満たしつつ、1人ひとりの自己紹介、石井先生への質問コーナーなど、参加者同士の親睦も深まり、大いに盛り上がりました。


■ランチ・自己紹介の様子


■日高会長自己紹介中




あっという間に時間が過ぎ、本件主催の文化交流委員会高橋委員長より締めの挨拶として、今後も街歩きの会を含めた三栄会イベントへの積極的な参加を呼びかけて頂き、お開きとなりました。
今やスマホ社会であり、つい、スマホを見ながら歩いてしまうことが多々ありますが、今回ばかりは前〜上のみを向いて楽しく歩くことができました。
ありがとうございました & お疲れ様でした!





(東京三栄会文化交流委員会・広報委員会)


前のページに戻る

PAGE TOP